タイのBIOとはどんな制度?メリットや手続きなど解説
タイで展開している日本企業の多くは、BOIの認可を希望します。
そして、多くの日本企業が実際にBOIを取得しています。
BOIを取得すると、様々な税金の免除や減税を受けられるメリットがあります。
また、タイでの労働に関する手続きが楽になるのも、BOIを取得する大きなメリットと言えるでしょう。
ですが、多くのメリットを持つだけあり、BOIの取得は簡単ではありません。
そのため、BOIを取得するなら、しっかりと知識を培うべきでしょう。
そこで、今回はタイでのビジネスで重要なBOIについて紹介します。
特に、タイ進出を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
BOIとは
BOIとは、「タイ国投資委員会」のこと。
タイ国投資委員会が出す認可のことをBOIと呼ぶこともあります。
ちなみに、「Board of Investment」の頭文字を取った略語です。
BOIは、タイの投資推奨法という法律の則り、以下のような事柄における決定や変更を行っています。
- 奨励の業種や条件
- 投資の条件
- インセンティブ
このBOIについて、どのような目的で作られたのか紹介します。
新投資奨励政策の6つの目的
BOIが設けられていることには、もちろん目的があります。
その目的6つを以下で挙げます。
- 国の競争力を向上させるための投資を推奨する。
- 持続的成長を目的に、省エネルギーや代替エネルギーなどの環境を重視した事業を推奨する。
- サプライチェーンを強化するため、各地域の可能性に一致する投資クラスターの創出を推奨する。
- 地域内の安定に繋がる地方経済を強化するため、南部国境県での投資を推奨する。
- 近隣諸国、ASEAN経済共同体との将来のため、特別経済開発特区、国境地域での投資を推奨する。
- タイ企業の競争力を高めるため、タイ国外からの投資を推奨する。
こういった目的があり、BOIは設けられています。
では、実際にBOIを取得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
取得することで得られるメリット
BOIに認可されると、数多くのメリットを獲得できます。
そのBOIのメリットについて、以下にまとめました。
- 最大8年間、法人所得税が免税または減税となる。
- 機会設備を輸入する際、輸入税が免税または減税となる。
- 「輸入→加工→輸出」の過程となる製品は、原材料または半製品の輸入税が免税となる。
- 外国資本金が49%以上の会社であっても、事業用の土地を所有できる。
- 一部を除く業種であれば、外国資本金が50%以上でも許可される。
- BOIワンストップサービスにて、簡略化された手続きを行える。
- デジタル化されたワークパミット(身分証明書)を所持できる。
- BOI企業であるという信頼性を確保できる。
見てわかる通り、BOIのメリットは非常に素晴らしいものとなっています。
そのため、多くの日本企業がBOIの取得申請を行っています。
申請できる企業の条件
BOIは、タイでのビジネスにおいて非常に重要な制度です。
そのため、容易に取得できるわけではなく、ある程度の条件を満たさなくてはいけません。
BOIを取得するための条件は、以下のようになっています。
- 資本金が1,000万THB以上であること。
- 海外1ヵ国以上に支店または関連会社が存在すること。
- 最先端に近い生産方法や機械を使用すること。
- 販売価格の20%以上の付加価値を提供すること。
- 認可されるまでに法人として登記すること。
- 創業時の負債が登録資本金の3倍以下であること。
- 創業から2年以内にISO9000やそれに近い国際基準資格を取得すること。
- 登録資本金を全て支払うこと。
このように、BOIの認可を得るのには、様々な条件をクリアする必要があります。
もしBOIを取得する際は、全ての条件をクリアしているか確認するようにしましょう。
認可されるまでのおおまかな流れ
ここからは、BOIの申請から認可されるまでの流れを紹介します。
あくまでおおまかな流れなので、参考程度にしていただければと思います。
- 各種申請書の準備
- 申請書の提出
- 審査担当官によるインタビュー
- 委員会による案件審査
- 認可通知とそれに対する回答
- 奨励証書の発給
このような流れで進めると、BOIを取得できます。
書類の作成や提出など、細かく見ると意外と時間や手間の掛かる作業もあります。
申請する方は詳細を知っておくべき
今回、BOIという制度について紹介しました。
わかったかとは思いますが、BOIはタイでのビジネス上でとても重要です。
メリットが多い分、難易度の高い制度となっています。
そのため、BOIを申請するなら、今以上の知識を持っておくべきでしょう。
当サイトでは、BOIの申請について、細かく紹介しているページがあります。
もし、BOIの申請を検討している方は、そちらのページを見てみてはいかがでしょうか?