タイの労働許可証とは?どのように取得するのか
タイでビジネスをする際に欠かせない「労働許可証 (ワークパミット)」。
この労働許可証について、取得方法や必要書類などがわからない方もいるかと思います。
労働許可証がなければ、タイで外国人が働くことは違法です。
日本人も当然含まれるので、日本企業のタイ進出では、労働許可証が必須となります。
労働許可証を持たずにビジネスをすれば、罰金を下されることもあります。
最悪の場合、強制送還という事態にも繋がりかねません。
そこで、今回は労働許可証とはどんなものなのか解説します。
労働許可証は、経営者にも従業員にも必要なので、知っておいて損はありません。
労働許可証 (ワークパミット) とは?
「労働許可証」とは、タイでの労働を許可する証明書のこと。
タイでは、ワークパミット(ワークパーミット)と呼ばれることが多いです。
労働許可証は、タイ人が労働する際には不要ですが、外国人が労働する際には必要です。
もちろん、日本人は外国人に含まれるため、タイでビジネスを行うには労働許可証が必要です。
労働許可証には、以下のような条件があるため、申請する際には気を付けなくてはいけません。
- 法人に所属していること
- 事業者のVAT登録が完了していること
- 資本金が全て支払われていること
この労働許可証ですが、申請を行えるのは法人のみ。
個人では申請できないので、就職先の先決が重要となります。
知っておくべき知識や注意点
労働許可証は、その名称から簡単な証明書のようにも思えます。
しかし、意外にも複雑なものとなっているため、注意しなくてはいけません。
そこで、労働許可証についての知識や注意点を紹介します。
労働許可証だけではビジネスができない
労働許可証を入手できれば、タイでの労働を許可されたということになります。
しかし、労働許可証だけではビジネスを行ってはいけません。
外国人がタイで労働する場合、労働許可証に加え、「就労ビザ(NON-B)」が必要となります。
就労ビザとは、タイでのビジネスに必要な資格のようなものです。
労働許可証と就労ビザの違いがわかりづらい方もいると思います。
そういった方のため、以下でそれぞれの違いをまとめました。
- 労働許可証 (ワークパミット)
- タイでビジネスをして収入を得るのに必要な許可証
- 就労ビザ(NON-B)
- タイでビジネスをするにあたり滞在するための許可証
それぞれを取得して、初めてタイでビジネスを行えます。
労働許可証のみでは不法滞在となるので、必ず両方を取得してください。
資本金によって取得できる枚数が異なる
「労働許可証」は、むやみやたらと作ることはできません。
なぜなら、タイでは外国人労働者1人につき最低200万THBの資本金が必要だからです。
例えば、資本金が600万THBの会社の場合、外国人を3人までしか雇えません。
もし、新たに外国人を増やすのであれば、さらに200万THBを追加し、合計800万THB以上の資本金にする必要があります。
ただし、この条件は「BOI」による奨励を受けることができれば適用されません。
そのため、資本金に関係なく、日本人を含む外国人を雇用できます。
またBOIを取得せず、且つ以下の条件を満たさない場合、労働許可証で働ける外国人の上限数は10人となります。
- 雇用主の雇用するタイ人の数が100人以上であること。
- 前年度に雇用主の納める収入税が300万THB以上であること。
- 前年度に雇用主が観光業を営み、タイに外国人観光客を5,000人以上は集めていること。
- 前年度に雇用主が輸出業を営み、タイに3,000万THB以上の外貨を集めていること。
このように、労働許可証の発行枚数が限られるケースもあるので、資本金は非常に重要となります。
指定の勤務地以外では働けない
労働許可証」で働ける場所は、書面に記載のある勤務地のみです。
そのため、他の場所や店舗で働くことを原則認められていません。
もし、勤務地の変更がわかった場合、できる限り早く労働許可証の変更手続きを行いましょう。
会社の変更はもちろん、別支店の移動なども含まれます。
無視していると、たとえ労働許可証を所持していても、罰金になることがあります。
ちなみに、営業や応援などの一時的な移動であれば問題ありません。
就くことのできない業種がある
タイには、タイ人の雇用を守るため、一部の職業に外国人は就けない決まりがあります。
そのため、以下で挙げる業種は労働許可証が下りません。
作業 | 単純労働 | 漁業 | 畜産 |
---|---|---|---|
農業 | 林業 | 露店業 | |
大工 | 塗装 | ブロック積 | |
重機の運転 | 車両の運転 | ショップ店員 | |
建築の設計施行 | 土木の設計施行 | 法律や裁判の業務 | |
秘書 | 事務 | 服の仕立業 | |
会計業務 | 競売業務 | 製紙作業 | |
理容師 | 美容師 | シルクデザイン | |
仲介卸売 | 観光案内業 | タイ文字のタイプ | |
製造 ・ 製作 |
衣類 | 織物 | シルク製品 |
帽子 | 靴 | 傘 | |
ブランケット | マット | ハガキ | |
タイの人形 | タイの伝統楽器 | 陶器 | |
仏像 | 仏画 | タバコ | |
托鉢用の鉢 | ナイフ | 銀細工 | |
加工 | 金製品 | 銀製品 | 銅製品 |
宝石の研磨 | 木材 |
労働許可証が下りず、外国人は就けない職業の例が上記の通りです。
基本的に、タイ人で賄える職業や作業だ、労働許可証が下りなくなっています。
取得に必要な書類
労働許可証を申請する際は、必要書類を提出しなくてはいけません。
その必要書類は、主に以下の通りです。
必要書類 | 概要 |
---|---|
パスポート | 「就労ビザ(NON-B)」のスタンプがあるもの |
卒業証明書 | 英文のもの |
職務経歴書 | 英文のもの |
証明写真 | 3cm×4cm、襟付きシャツ、背景は白 |
労働者の住所 | タイ及び日本のもの |
健康診断書 | タイ国の医師によるもの |
株主名簿 | – |
営業ライセンス | – |
税務登録証 | – |
VATに関する書類 | 登録書 / 領収書 / etc |
法人税に関する書類 | 報告書 / 領収書 / etc |
会社関連の情報 | 登記簿謄本 / 業務案内 / 地図 / 組織図 / etc |
申請料 | – |
これらの必要書類を不備なく揃えれば、労働許可証を取得できます。
ただし、業種や状況によっては追加書類もあるので、あくまで参考程度にしていただければと思います。
取得には代行サービスの利用がおすすめ
労働許可証の取得には、多くの条件などが設けられています。
そのため、労働許可証の取得を試みると、不備などで躓く方が多いです。
また、資本金や業種などで躓くこともあるため、ある程度が言語力が問われることもあります。
そういった事態を簡単に収束するためにも、代行サービスを利用する方が多くなっています。
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人数などによって変動するため、ご確認いただければと思います。
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